イケメンに拘りなし!、大相撲の遠藤関が好きになる理由

 

 

  近頃話題の大相撲について書いてみます。フォーカスするのは、『遠藤聖大』関です。遠藤関というと近年流行の相撲女子がイケメン力士としてきゃーわー言っている関係でただの人気者と思っている人がいるかも知れませんが、私はイケメンとか、そんな理由で彼を推しているわけではないです。どんなに調子が悪く、連敗をしている状態でも土俵入りには歓声が沸きます。イケメンだからと言う理由では片付けられない人気の秘密は、玄人好みの巧みな相撲にあると思うのです。                            

                                      自分が感じている遠藤関の魅力1                                              

                                                       「遠藤関は決して逃げない!」ということ。立ち会いの一瞬が その後の相撲の展開を左右することはよく知られています。突っ張りを繰り出し、距離を取る作戦。頭から当たって押すか、四つに組む作戦。それを逆手にとって、ひょいと身体を左右どちらかに跳んで相手をかわす立ち会いも有りです。この「かわす」という姑息な立ち会いを横綱がしようものなら非難囂囂です。琴奨菊関は出足から一直線に攻めるスタイルなので、かわされてあっさり負けてしまう場面をよく見ますが、相手も真正面から勝負してほしいものです。この真っ正面からの勝負に拘っている力士の一人が遠藤関です。どんな大きな相手も、どんな小さな相手も、決してかわす動きはしません。自分の型に徹して攻めます。時折立ち会いで、懸賞金ほしさのあまり、ひょういと避けられることもありますが、琴奨菊と違うところは、万全な状態なら下半身が動いて相手を捕まえる動きにすぐ移れるところでしょう。正々堂々の勝負を目指すのが遠藤関の魅力です。

                        自分が感じている遠藤関の魅力2

 

 「派手ではないが巧い相撲」を取る遠藤関。横綱白鵬関を中心とするモンゴル出身の力士は派手な投げ技で観衆を沸かせる場面が見られるのも大相撲の醍醐味だと思いす。最近話題の十両の小兵力士なども巧みな投げを披露しますが、遠藤関の決まり手で、上手投げ、下手投げなどはほとんどありません。その大部分が、寄り切り、押し出しなどに限られます。これは遠藤関の相撲の取り口に関係しています。二人の力士が組み合った形が『四つ』です。自分の正面から左寄りに相手の組止めれば『左四つ』、右寄りに組止めれば『右四つ』となるわけですが、遠藤関は理想的な『左四つ』で攻めます。ちなみ横綱白鵬関は強力な『右四つ』で相撲を取ります。この二人が四つ相撲の見本のような力士です。

 

 遠藤関は、立ち会いに低い姿勢で右足を踏み込みます。ケガの影響があった名古屋場所では、この右足に踏ん張りがきかず、押し戻されて負けるという場面が多く見られました。秋場所のように状態が良ければ、まず右足一本で相手の突進を受け止め、次に左足を前に送っていきます。その点では、遠藤関の調子は踏み出した右足の踏ん張り具合ではかれるとも言えます。そして、足の踏み出しとともに、両腕も巧みに攻めます。『左四つ』が得意な遠藤関の左手は、向き合っている相手の右脇にねじ込まれていきます。ねじ込んで下手になった手は、すぐに相手のまわしを掴むというよりは、背中にわまして相手を抱きかかえるようにします。こうすると相手の右上手はバンザイの格好になり動かせません。一方の自分の右手は、上手となってまわしを掴みにいくわけですが、当たりの強い相手の場合はまず相手の左手を伸ばせないよう、窮屈にさせるよう『はず』にあてがって勢いを一旦止めてから上手を探り、引きつけながら前に出て寄り切ることになります。左右の足の運び、腕の動きが一体となったこの取り口は玄人好みと言っていいでしょう。豪快に相手をひっくり返す投げ技もいいですが、私は遠藤関には自分の相撲の型を極めて欲しいと思います。

                            まとめ

 改めて、私が遠藤関が好きな理由はけっして『イケメン』という理由からではないことが言いたいのと、『イケメン』だからという理由で始めた相撲女子にも遠藤関の関取としての魅力に気づいて欲しいと思っています。裏事情についても触れておきます。

永谷園などが遠藤関を応援して一本6万2~3千円の費用をかけて懸賞を懸けてくれます。取り組み一つの勝ちで、受け取り分5万数千円(内、実際に封筒に入っている現金は3万円:残りは協会預かりで税金対策などを引いて後ほど貰えます。)×本数の金額が手に入るわけですから遠藤関は恵まれた環境に居ると言えます。しかし反面、対戦相手が勝てば、この総額三十数万を一瞬で手に入れることができます。毎取り組みで飢えた猛獣と対峙する遠藤関も試練と言えます。11月の九州場所はおそらく前頭の筆頭か二枚目くらいになると思います。もちろん横綱大関とも全員対戦することになります。遠藤関本来の相撲が取れて、上位陣を倒して活躍できるような万全の体調であってほしいです。